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思想ゼミナール 12/9の振り返り

年が明けてしまいましたが昨年12月に行われた思想ゼミナールについて、受講生の方からレポートをお寄せいただきましたので、以下、掲載します。

2016年より宇野邦一先生を講師にお招きし、毎月1回、「思想ゼミナール」が開講されて来ました。今日の講義(2017年12月9日)は前回に引き続き、2017年度の内容を振り返って、もう一度まとめて考え直してみる、というものでした。とはいっても、先生ご本人にとっても、私たち受講者にとっても、“まとめて考え直す”というのは、なかなか一筋縄にはいきません。これまで各月ごとに、歌、舞踏、演劇、音楽、映画、歴史、小説、テクノロジー、文学、哲学、言葉…と、それぞれの領域に多岐にわたる問いが、独特の方法で交差しながら考えられて来たからです。その意味では、毎回の講義がそれぞれ新しい主題について展開されていた、と言っても良いかと思います。

勿論このゼミには、「国家」や「法」という全体のテーマがあり、また、「〈国家の外の生〉は、どのように見出されるのか」を考える、一貫した課題があります。しかしそうした課題を、単に政治的な議題として以上に、私たち自身の身体や生き方にいつも繋がっている問題として把握し返すには、どうしたら良いのでしょうか。そんな問いかけが、時には芸術や音楽と一体になったり、映画や文学と出会ったり、また時にはSF小説と結びついたりしながら、毎回様々に変貌を繰り返して、具体化されて来ました。

この日は、こうしたこれまでの内容を徐々に想い起こしながら、「国家」や「生」の問題へ緩やかに集めて、皆で再び考える、という会でした。そのため、ゼミ全体のかたちをもう一度少しずつ探りながら進んでいるような、穏やかながらも実験的な雰囲気の漂う、刺激的な時間になっていたように感じます。そうした中でときおり、受講者の皆さまからは、AIや遺伝子操作についてなど、テクノロジーと人間を巡る新たな問題が投げかけられるなど、来年度の議論展開への静かな揺さぶりまで予感させられる、話題の尽きない会になりました。

以上です。

思想ゼミナールは月1回、おおよそ第3土曜日に開講しています。

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