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尾関清子先生講演会&WS@刈谷市のレポート

去る3月、立命館大学より学位を取得、女性としては国内最高齢の88歳ということで様々なメディアに取り上げられた尾関清子さん。話題ばかりが先行するきらいもありましたが、やはり講演会やワークショップなどを通じて、尾関さんの偉大な業績や仕事ぶりを世の中に広めていくことが大切だという思いから、学園坂スタジオの企画としてご登壇いただきました。

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6/16の東京編に続き、第2回目が愛知編。今回も多くの方にご参加いただきました。刈谷市からの後援も頂いたこともありましたが、市外や名古屋市からの方も少なくなく、関心の高さが伺えます。

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前半の講演会は90分。お話は多岐に渡りますが、東京編とやや違った点は「考古学への家政学からのアプローチ」というお話に力点が置かれていたことでしょうか。縄文時代に関する研究は長きにわたって男性が携わっていたことが災いしたのと、むろん物証が極端に乏しいこともあり、編み物に関する研究はほぼ存在しませんでした。手工芸を活動の出発点とする尾関さんは、縄文人の編み方を細かく分析し、実際にそれを再現し実験・実証していくという、途方もなく時間と労力の必要な仕事をされてきたわけです。

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家政学の出身ということで、考古学プロパーからはなかなか理解が得にくかった、という苦労話をときにユーモアを交えながらお話されます。飄々としながらも、実は力強い批判精神に満ちている。分かりやすく言えば、男性中心の考古学に異を唱える、そのような仕事だったとも言えます。そして、ほぼ在野で研究に打ち込んでこられたことを考えると、ただただ頭が下がる思いです。

終了後のアンケートには「大変面白い講座でした。先生の女性独特の視点と気付きからの研究がとても面白かったです。(刈谷市・女性)」「先生の人柄が出たおもしろい講演会でした。縄文人は毛皮ばかり着ていたと思っていましたが、高度な技術を持っていることに驚きました。(不明)」などなど、多くの感想をいただいています。

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さて後半はワークショップです。色とりどりの糸を用いて、コースター程度の布を製作します。9割がた女性ですが、男性も奮闘しています。中にはお子さんを抱っこしながら熱心に取り組んでいる方も。以下、製作風景の写真です。

最後になりましたが、この講演会とワークショップは文化工房かりやの皆さんにご協力をいただきました。材料や道具の準備・受付・当日の細かなお手伝いなどなど、多大なご助力をいただきました。ありがとうございました!

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