少々日が過ぎてしまいましたが、11/8は女性の作曲家ガイド第8回講義でした。毎回様々な作曲家や演奏家も含めた女性の音楽家が取り上げられますが、この日は「抵抗のモダンガール」吉田隆子(1910〜1956)。参考映像として「女性・反戦・音楽ー作曲家・吉田隆子を知っていますか?」(NHK・ETV特集)を視聴しました。言論が厳しく弾圧された時代に、徹底して闘いつづけた活動家=作曲家=フェミニストだった吉田隆子。いまこの時代に改めて振り返ってみるべき音楽家なのかもしれません。
(試しにyoutubeで探すと、Canoneという短いピアノ曲が出てきますのでご参考までに。なんだかショスタコヴィチを連想させるような曲です)
吉川真澄さん(sop)と佐藤紀雄さんのギターで「君死にたまふことなかれ」(原曲は楽譜の通りピアノ伴奏)も視聴。明確に言葉が伝わってくるのとギターの音色が印象的(これがyoutubeにないのはとても残念です、どなたか是非アップしてください)。以下、楽譜の写真です。
モーダルな曲
講義の中では「小林多喜二追悼の歌」を試唱する時間も。慣れるには相当な時間がかかりそうな曲です。(歌詞はこのリンクをご覧ください。MIDIデータもあるようです)
反戦活動ゆえ特高に睨まれ、何度も逮捕された作曲家・吉田隆子。獄中で過酷な状態におかれ、心身を病みながらも旺盛に活動したといいます。平成の終わりのこの時代に、音楽がどのような可能性や不可能性を持ちうるのか。セクシュアリティの再表象であるかのような「音楽」に? あるいは、いまの時代の治安維持法があるとすれば、それは何なのか。SNS上のリンチが横行するこのネット社会に、新しい形の治安維持法が透けて見えてくるようでもあります。そんな問題系もまた浮かび上がってくるような女性の作曲家ガイド、次回は2019年1月10日(木)19時〜学園坂スタジオにて。お申し込みはこちらから。
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