人はいつから歌うようになるのでしょうか。言語以前の声、赤ちゃんの喃語のような響きは、歌でもあり、話し声でもあるように思えます。いつの間にか、人は話すことと歌うこととを区別するようになるのでしょう。このことは、文明社会に生きる人間のちょっぴり悲しい現実のようにも感じてしまいます。
それにしても、ロボット開発に入れ込むこの時代、声を出すことすらコンピューター任せになってしまった感があります。初音ミクのようなヴォーカロイドの流行が必ずしも一過性のもののように思えない。人の声がデータベース化され、簡単に操作可能になってしまう。100年後に流行る歌はいったい誰が歌うことになるのか、、、よく分かりません。
それはさておき学園坂のボイトレは、ストレッチや呼吸の仕方など準備運動も入念にしながら、ゆっくりと声を出して行きます。ここまでは、どちらかというと音楽というよりかは体育とかスポーツというような内容です。歌がうまくなる・カラオケが上手になる、というような目標もあり得ますが、まずは誰もがやっておいて損がない、健康にも役立つ身体技法の基礎に重点を置きます。
その先はレベルに応じて、音階や和音の取り方、場合によってはコールユブンゲン・イタリア古典・コンコーネなどを取り上げます。週1回たった1時間ですが、受講される皆さんはフーッと疲れて笑顔で帰っていかれます。ただいま月曜日と木曜日、10時〜と13時半〜の4クラス開講中です。また、ご希望の方には個人レッスンのコースもあります。
テクノロジーの過度な競争や進歩主義をよそに、まずは深呼吸。全身の器官を開くように、息をゆっくり吸い、息をゆっくり吐く。楽器の音とともに、声色をととのえる。このアナログ感覚を今一度思い起こしてみたいものです。
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