日々さまざまな事柄に追われていると、このブログの更新もなかなか捗りません。電話やメール、受付や掃除、そして消毒・消毒・消毒。別種のアルコール依存症? しかし、アルコールという物質を、人類はよくぞ発見したものだとちょっと驚きます。古代ギリシャにはすでに酒の神バッコスがいました。この列島の縄文期には、すでに酒造りが始まっていた? これは仮説に過ぎませんが、人類史とアルコールは切っても切り離せない、まさに依存症の歴史だったのかもしれません。それはともかく、ここしばらく消毒に追われる日々に終わりが見えなさそうです。
さて、スタジオは気づくと今月12月でオープン5周年になりました。この2020年という年があまりにあっけなく終わろうとしているので、そんなことも忘れかけていたのですが。思えば、周囲の友人・知人に声をかけて内装を手伝っていただき、少々無茶な経緯で、そしてほぼ無計画に始めたものですから、よくここまでやってこれたと、これもかなり驚きです。運営主体はおよそ経営など向いていないアーティスト集団です。言い換えれば、日々の稽古や研究が好き過ぎる人たちの溜まり場、なのかもしれません。
そう、このコロナ時代、店舗の運営は相当厳しいのも事実です。今年はライブはもちろん、イベントごとはほぼほぼゼロに近かったのです。ただ、それでも今年を何とか切り抜けられたのは、日々の稽古や研究が好き過ぎる人たちのおかげに他なりません。ピアノやヴォーカル、管楽器やドラム、ダンス、ヨガ、コード理論、語学・詩や哲学・思想などなど、いわゆる一般的な実学でないものばかりとも言えそうですが、学校のように成績をつけることが難しかったり、成績をつけること自体の意味や価値が希薄であるようなジャンル、とも言えます。
人はなぜお金にもならないことに、成績のつけようがないこと、実績にもならず、出世するための資格も得られないようなことに、それでも精を出せるのでしょうか。容易に答えられるような問いではないのですが、ただひとつ言えるのは、そのような人たちの姿は実に美しいということです。技術の巧劣は別問題でしょう。裏も表もない、それは、発見の喜びや驚きそのものなのです。
学園坂スタジオは、今までもこれからもあまり真面目に経営しません。成長戦略など皆無、競争力はもしかしたらマイナスです。当然ながら、宣伝・広告費は最低限に抑えています。そのぶん、いくぶんか安価にスタジオのレンタルができたり、講座の参加費もお手軽価格になっています。ホームページなどご覧になって興味・関心を持たれたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
スタジオはただただ、研究の徒に開かれた、ひっそりとしたスペースでありたいと願っています。そして、表現の場であったり、その交差点であったりするでしょう。ただ単に、きっかけ、の場所に過ぎないのかもしれません。が、それで人生が大きく変わることもありえなくはないのです!これから先の5年がどうなるか、状況の不安がなくはないのですが、楽しみが尽きません。どうぞみなさま、無事で次の年を迎えられますよう。そしてこれからも学園坂スタジオをどうかよろしくお願い申し上げます。
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